神奈川県横須賀市に位置する貝山地下壕。
前回NPO法人アクションおっぱまが開催する見学ツアーにて第三海堡遺構を見学させていただきました。
見学ツアーはさらに続き、次は一番に楽しみにしていた貝山地下壕を実際に入って見ることが出来るのです。
貝山地下壕は太平洋戦争末期に横須賀海軍航空隊の施設として掘削された地下壕。
総延長は約2kmを超えるらしいけども、その詳細などの資料などは残されていないため、まだまだ不明な部分も多く、壕内を含め調査が続けられているそうです。
貝山地下壕という場所を興味から訪ねてみたという、このブログは誰のためにもならない個人的な備忘録となります。
貝山地下壕は貝山緑地という横須賀市が管理する公有地にあるため保存状態も良いらしいけども、東日本大震災以降は一般には公開されてませんでした。
しかし、歴史的価値・技術的価値などの公開を希望する声が広がり、ツアーなどに限定されながらも見学が許可される。
※見学は事前予約がマスト。
貝山地下壕エリアは終戦後に連合軍が接収していた時期もあり、壁を見ると英語表記などもあり歴史を感じられる。
どうやら資材置き場として使っていたらしい。 奥は塞がれていた。
※ツアーの参加人数によって見学内容の順番が異なるらしいです。
まずは地下壕内で見つかった出土品が展示されているので見学。
画像右上の物は『防毒マスク』 これは地下壕を掘削するさいに排気ガスや埃対策として使用されていたようだ。
他にも電球や格子なども展示されていたけども、使用されていた食器などもあった。
当時の常識なのかも知れないけど、階級によって食器すらも違うことに自分は驚いた。
借りたヘルメットをかぶり、いよいよ貝山地下壕内を探索する時がきた!
参加者たちの表情も豊かになってきた。
ツアーなので地下壕内を自由に探索できる訳でもなく、スッタフさんにくっついての探索。
壕内で見学エリアとして開放されているのは、B地区の一部。 それでもワクワクが止まらない。
屋外出入口の隔壁を裏からも見てみた。 積み上げられたレンガが迫力がありますね。
壕内に入るとスッタフの方が『さあ 照明を点けますよ!』というと、ツアー参加者は条件反射的に一斉にカメラを向けて構える。
照明が一斉に奥まで照らされる。
参加者からは自然と一斉に『おおぉ~』という声が出る。 ガイドの方の顔が若干ドヤ顔に見えたw
地下壕内は幅5~7m、高さ5~7mの広い通路があり。 そこに幅・高さ3mほどの横抗や格子状の坑道を中心に構成されているらしい。
照明設備もさることながら足場も安定している。
貝山地下壕は一般公開されていないとはいえ、保存状態が実に良いね。
浅川地下壕とは異なる魅力がある戦争遺構。
少し進むとまたしても隔壁が現れる。
ちなみにこの石は「万能の石材」として有名な栃木県が誇る大谷石から出来てるらしい。
良い感じに照らしてくれる照明。
ツアー参加者は各自ライトを持参してきているけども、足元を照らすことなく歩けるほど明るい。
自分は浅川地下壕と似たような感じだと思っていたので驚いた。
勝手な行動でもしない限り迷子になることはないけども、地下壕内には分岐もあるので注意。
見学コース以外には照明が設置されていないので、そこに広がるは漆黒世界。
地上に繋がっているのか、奥では光が差し込んでいた。
当時の人はどんな思いで、本土決戦に備えた地下壕内で過ごしていたのだろう…
壕内の通路両側には溝が掘られており、地下壕内は水が出たと考えられているらしい。
足元に目を向けるとレンガが敷き詰められていた。
レンガがある通路は物資運搬等があったと考えられている。
まるでRPGゲームの世界に入り込んでしまったような地下世界。
あきらかに何かが掲げられていた跡。
地下壕に関する資料などは一切残っていないので不明。 他の参加者は何があったのだろうと想像していたのかな?
にしても壁・天井を見れば掘削のあとがスゴイ。
地下壕内には発破作業で使う穴を掘るため使用した、穿孔機先端部分のドリルも放置されていた。
天井を見上げれば目玉ボルトがあちこちに残っており、比較的簡単に見つけられる。
床にプツプツと広がっている穴。 これは終戦後に部屋の詳細を調べるため使用した計測器の後。
地下壕内には色んな残置物を確認できる中で、唐草模様が見える陶器も通路に残されていました。
さっき見たコレ
スタッフの方が教えてくださったけども、士官用の陶器製便器の破片らしい。
歴史的に価値がありそうなもんが、普通に残されてる貝山地下壕。
色んな物が残っているけども、コレは何だろう? 何かの測定に使用されたのだろうか?気になる…
地下壕内には人が生活していた事を感じられる『かまど』
僅かながらもかまど内には豆炭が残ってる。
『かまど』の横には排煙のための煙突跡が伸びている。
壕内には水槽跡も残っていた。 出土品には食器もあったり、かまどもある。
他の地下壕内では確認出来なかった、生活感を感じることができた貝山地下壕。
約30分ほどの見学を終えて地上へ
地上に戻ったあとも見学は続きます。 今度は追浜浄化センター敷地内にある油槽へ。
画像では伝わりづらいけども一つ一つが大きい。
なんだか以前訪問した広島県竹原市に属する大久野島で見たタンク跡を思い出した。
こちら(追浜)ではタンクが雨ざらしではなく、トンネル内にあるので状態が良さそうだ。
確認出来なかったけども、燃料タンクにはディーゼルオイルと書かれているらしい。
わくわくした見学ツアーを終えたあとは帰るだけ。
しかし 折角なので貝山緑地にある「豫科練誕生之地の碑」を訪れることにした。
予科練といえば霞ヶ浦のイメージだったけども、横須賀海軍航空隊で誕生したとは知らなかった。
砲弾が奉納されている神社・寺は見た事あるけども、柵の一部が砲弾の形になっているのは初めて見た。