港町でもある横浜が開港したさいに輸出品として主力だったのは「生糸」
自分も横浜市の小学校に通っていた事も関連してるのかわからないけども、蚕を実際に育てて繭から生糸を取り出すという授業もあった。 毎日せっせと桑の葉を集めて愛着も湧いてきた頃に、蚕を繭ごと茹でるという結末は当時の自分にはショッキングすぎて気分が悪くなった… でもそれが歴史を学ぶってことなのよね。
話はずれたけども、そんな蚕さんとの切ない思い出を未だに引きずりながらも、蚕からの製糸をはじめ、絹業や絹の染織工芸、絹製品の展示を神奈川県横浜市中区山下町にあるシルク博物館で学べるというので訪ねてきた個人的な備忘録となります。
シルク博物館が入っているシルクセンターの外観は気合が入っているが、それもそのはずで1959年(昭和34年)に全面開業したビル。
すぐ隣のビルは神奈川県パスポートセンター本所なので近くまで来たことがある神奈川県民も多いと思う。
シルク博物館はシルクセンタービルの2階に入口があり、2階と3階が見学エリア。
※外階段以外のルートもあるようです。
入館料を支払い、いざ館内見学開始!
ここで迎えてくれるのは、シルク博物館のマスコットキャラクターであるまゆるん
養蚕業を淡々と説明するのではなく、多くの展示品を設けたり、体験コーナーなどもあるなどして飽きさせないような工夫がみられる。
ひとえに『繭』といっても、こんなにも種類があるとは知らなかった…
「まゆ」から糸を取りだす「糸くり」体験も気軽に出来ちゃうのは、ちょっと感動した。
順番待ちもいなかったので初めてやらさせてもらった。
以前 群馬県の富岡製糸場を訪ねたさいにも糸くり体験なるものがあったけども…
それを経験するには長蛇の列を並ぶ必要もあって断念。なのでまさかここ横浜でリベンジできるとは。
必殺技のような名前の『回転蔟』
蚕自身が繭をつくる場所を「蔟」といい、この区切られた大きさは蚕にとってはちょうど良い大きさとなっており、蚕は繭をつくるさいに上へ上へとのぼる習性があるのも利用して、蚕が繭をつくると重さで、自動的に下にいくという仕組み。
よく考えたもんだ。 と感心しながら改めて『回転蔟』を見ると本物の蚕さんが動いていることに気付いた。
館内には本物の生きた蚕さんも多く展示?飼育されているのでわかりやすい。
※次の画像は蚕さんのアップです
本物の蚕さんも展示してある。
孵化から繭を作るまで約1ヶ月らしく、その成長過程も実際の蚕を見ながら学べる。
日本昔話に登場してくるような「はたおり機」も複数台が展示してあり、中には体験ができるはた織り機もあるようだ。※体験できるのは小学生からと制限があるので要確認
本当に人間が作業しているかと思うほどリアルなマネキン。
さてクイズです。 これは何でしょうか?
正解は着物一式をつくりあげるのに必要な繭玉の量でした~。その数は9.000粒にも及ぶとか…
他にもブラウスやらネクタイなどの比較も視覚的にもわかる。
富岡製糸場でも稼働していたという自動繰糸機
ちなみにメーカーは日産自動車に吸収されたプリンス社製。
先ほど見た自動繰糸機は昭和39年頃に開発され、より大量生産が可能に。
それ以前の手作業では横浜市内でも製糸場があったなんて知らなかった。
場所は変わり2階へ「ビル3階」
このフロアーではシルクのあゆみとして、シルク衣装を年代別に展示してある感じ。
この時代の衣装を着たマネキンを見ると大阪で訪ねた「大阪歴史博物館」を思い出す。
この他にも平成初期の雰囲気たっぷりの「映像ライブラリー」や実際にシルク商品を扱った「ミュージアムショップ」まで完備されてる。 でもお高いんでしょ?と思いながら見ると、それがまたお手頃な価格帯の物から用意されてる。
かつて横浜の港で輸出品の主力だった絹の歴史を覗いてみるのも、オツかなと思うので訪ねてみてはいかがでしょうか?山下公園と大さん橋などからも近いですよ。