炭鉱住宅跡をこえて新店街通りへ
炭鉱住宅跡。 いただいたパンフレットによると『池島の住宅は1953年頃から建設開始、1978年までに50棟が建てられた。 水洗トイレを備える近代的なものだった』とある。
さきほどの8階建て旧炭鉱住宅に比べると、どなたか生活しているような雰囲気がある部屋もある。
ただ こちらでも建物丸ごとが草木に覆われようとしている棟。
かつて住んでいた人達が、こんな感じで衰退していくのは寂しいだろうなと思いつつ炭鉱住宅跡を通り過ぎた。
池島には交番は無いけども、消防車はあった。
池島には診療所や郵便局もあるが、池島には唯一ながらも今でも宿泊出来る場所があります。それは「池島中央会館」 こちらでは素泊まりながら安価で泊まれお風呂もあるようだ。
池島をがっつり探索するなら宿泊を考えても良いと思う。 本当は自分も泊まりたかったけども、同伴者に反対されてしまった。
反対されてしまった理由は、あまりにも周りが寂しくて怖そうという理由だった。自分としては逆にそんな雰囲気に興味があっただけに残念だ。
スナックと横には店名からして雀荘だろうか… 営業している当時は炭鉱夫の憩いの場だったのは間違えない。
隣には「池島ファミリボール」 壁の画から察するにボーリング場跡地だと思う。
全盛期の人口を考えると娯楽施設があっても何の不思議でもない
新店街通りから池島港の途中に見える
もっと島探索をしたいけども帰りの船の時間も迫ってきているので、港まで見学しつつ歩くことに。
途中 バス停があったけども、倒れた状態のバス停に時刻表が貼ってあった笑 これなら強風が吹いても安心だね。
帰り道は基本下り坂なので楽ちんです。 これを来島したさいに徒歩や自転車だったと思うと登り坂ばかりで大変だったと思う。 改めて島内バスがある事に感謝!
池島にはアパート群だけじゃなく、一軒家の姿もちらほら。 ただ人の営みが今もあるのかは判断がつかなかった。
島内バスのルートでも途中でも通ったアパートを坂の上から見る。
島の周囲は4キロなので、あたりまえだけどもオーシャンビュー
煙突が目立つ旧発電・造水施設
発電所の排熱を利用して海水を真水に変えていく造水設備もあったようだ。
炭鉱住宅跡内にはいたる所に配管が繋がれていたけども、これは旧発電・造水施設から供給される真水を各家庭に供給するためのようだ。 ちなみに水と同時に発生する蒸気は主に浴場に活用されるなど無駄がない町だった。
もともと電力は海底ケーブルだったようだけども、現在では水も海底に水道管を通っているようだ。
役目を終えた施設は、風が吹くと常になにかが軋む音が虚しく響いていた…
時間の都合で池島にあるすべての巨大な炭鉱遺跡群は見れなかったけども、選炭工場や第1立杭は見れた。
表現として相応しくないと思うけども、うっとりしてしまう。
池島港まで近づいてきた途中 妙に人に慣れてる猫が足をすりすりしながら案内してくれる。
猫についていくと空になったエサ箱が用意されている場所だった… 何も持っていないのよ…ごめんね。
池島のパンフレットの注意事項にもネコにエサを与えないでくださいとあるとはいえ、本当に心苦しかった。
ようやく池島港近くまで戻ってきました。
人々の生活感を感じる港近くのアパート群にある今でも現役の池島港浴場
爆音で鳴くやぎたち。まるで志村けんを彷彿させる声だった。
奥に見えるは「港ショッピングセンター」 今となっては島で唯一になってしまったので貴重なお店。
港の近く反対岸には石炭積み出し施設が見える… 当時は石炭運搬船の出入りも盛んだったと容易に想像できるが、今はとっても静かな港だ。
池島港に着いた時は、すぐにバスに乗ったので寄れなかった池島港船客待合所。
来る時はフェリーだったけども帰りは高速船。待合室内には他にも船を待っている人達の姿もあり、やはり午前にきて夕方前に帰る人が多いのだろうか?
待合室で待っているのも勿体ないので、再び港近くをぷらぷら
どこかで見たことがあるキャラが多い。 使用条件が優しいと評判の熊本を代表する「くまモン」まで池島にいるとは思わなかった 笑
そうこうしているうちに、帰りの船『高速船』がやってきた。
行きと同じく、離着岸が本当に素早いこと、船に乗船して振り返ってる間には離岸してたよ。
今回は池島に残る貴重な炭鉱関連遺跡の住宅跡をメインに見学したけども、実はギリギリまで池島炭鉱体験ツアーに申し込もうか悩みました。 こちらでは実際に池島炭鉱で採掘に従事されていた方が坑内で説明をしてくれるし、コースによっては炭鉱住宅内を見れたり、当時の炭鉱弁当を再現したお昼つきコースなどもあるようです。
帰りの船内では、見学に参加していた家族が、子供を中心に思い出を語っていたのは印象的だった。
ここ池島もいずれは軍艦島(端島)のように有名になるのだろうか… あの廃墟郡を個人でも自由に見て回れるのは特別な体験だったので、そちら方面や炭鉱歴史に興味がある方は訪れるべき島だと思う。 そんな池島